BMW E90 M3フェンダーダクト
ワンオフ埋め込み加工

前頁ではフェンダーダクトの位置決めまでを紹介致しましたが
フェンダーは曲面である為、単に穴を開けて埋め込めばOKと言う簡単な物ではありません。

大きく湾曲した面に平面構造のダクトを取り付ける訳ですが
フェンダーの形状、ボディーのラインを損なわずに自然にダクトがマッチするようにしなければなりません。
 
汎用ダクトの様に両面テープやビスで固定する様な商品であれば
フェンダー、ダクト、両者の加工精度が多少甘い場合でも
固定の方法によって融通が効きますので非常に簡単な作業となりますが、
専用品であるため、フェンダーの鋼板に対してダクト裏側の突起(爪)で嵌合(噛み合う)する構造で
成型時のパテによって、嵌合面の鋼板の厚みが増しただけでもダクトの取り付けが出来ない状況で
取付け側(フェンダー側)の加工精度に大きく左右されます。

見た目は簡単な様に感じられますが、非常に地味で緻密な作業を求められます。


ダクト本体は仮組み、調整の際の傷防止のためマスキングで保護しています。
ダクトを横から見ると縦方向、横方向共に直線基調の平面構造です。
BMW M3 ダクト1 BMW M3 ダクト2 BMW M3 ダクト3

下写真左    フェンダー横(前後方向)の湾曲
下写真中央   フェンダー横(前後方向)の湾曲を型取った紙でダクト接合面との比較をしたもの
下写真右    フェンダー縦(上下方向)の湾曲 
ぱっと見は平面のように見えても、フェンダー全体が局面で構成されている事が判ります。
普通に穴を開けた程度では絶対に取付け不可能です。
BMW E90 フェンダー BMW E90 フェンダー形状1 BMW E90 フェンダー形状2
 
取り敢えずカットをしてフェンダーとダクトの正確な兼ね合いを確認します。
第一段階ですので、現時点では大きな隙間と歪が発生していますが
後に微調整と修正を加えて行く事となります。
BMW M3 ダクト加工1 BMW M3 ダクト加工2 BMW M3 ダクト加工3

面出し(歪み抜き)と同時にフェンダーダクトの隙を調整していきます。
但し、ダクトの嵌合部は鋼板の厚み分のみで保持する構造の為、パテは殆ど使えません。
パテはサンディングによるペーパーの目消し程度に留め
鋼板自体の成型で歪みを極限まで抜いておく必要があります
フェンダーダクト加工1 フェンダーダクト加工2 フェンダーダクト加工3
 
非常に地味な作業を左右対称に2回も行いますので、結構気が遠くなる作業です(笑)
微調整を何度か繰り返し、綺麗にフェンダーダクトが収まることが確認できれば
サフェーサー(下塗り塗料)を塗布します。
フェンダーダクト加工4 フェンダーダクト加工5 フェンダーダクト加工6
 

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